KURIHARA KOGYO Building栗原工業ビル
次の100年の「拠点」
2019年に創業100周年を迎えた栗原工業は、次の100年を見据え、従業員の豊かな想像力を育むことのできる業務環境、地球環境の保全と次世代に引き継ぐべき資源保護のために、継続的に改善のできる環境技術を取り入れた新本社ビル「栗原工業ビル」を建設しました。
本社機能として、事業の継続性と省CO2両立を主軸とし、免震構造の採用と72時間のBCP性能を確保する計画としました。VPP対応や多種電源によるBCP対応等を可能とする電力制御を備えたスマートエネルギーマネジメントシステムや次世代直流給電システム等の環境配慮技術を採用し、中規模オフィスビルにおける省CO2推進の波及・普及を目指しています。
平成29年度 第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)に採択
令和元年度 おおさか環境にやさしい建築賞 事務所部門賞 受賞
国土交通省、経済産業省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」に掲載
「近畿の環境に配慮した建築物」に掲載
第11回(令和4年度)カーボンニュートラル賞を受賞しました。
第33回電気設備学会 技術振興部門振興賞を受賞しました。
ファザードデザインは石張りの格子フレームにアルミのフィンを重ね、彫りを深く陰影を与え、創業以来100年にわたって積み重ねてきた信用の歴史と深みを表現しています。
コーナー窓を計画することで石張りの重厚感だけでなく、次の100年を見通した新しさも表現しています。

環境に配慮した設備システムと
快適性・利便性に優れたオフィス空間
設備システムの採用
- A.全館LED照明
- B.昼光・人感センサーによる照明制御
- C.人感センサーによる換気ファン発停制御
- D. 雨水中水利用
安心・安全の向上と省CO2の両立
- E.太陽光発電+リユース蓄電池
- F. 非常用発電機
- G. ベース照明直流給電
- H. 受水槽+飲料水備蓄
- I. 緊急時汚水貯留槽
- J. 免震構造
オフィス空間の実現
- K.屋上緑化
- L.スマートエネルギーマネジメントシステム I.SEM®️
- M.高効率高顕熱型PACエアコン
- N.簡易エアフロー
- O.Low-eガラス
- P.自然換気スリット
- Q.タスク・アンビエント放射空調+パーソナル吹出口
- R.デシカント調湿外調機
マネジメントシステム
独自開発のスマートエネルギーマネジメントシステムにより、多様な電源を直流で統合・制御し、建物に電力供給。
機能①
- BEMS機能による、エネルギーマネジメントと見える化
- 蓄電池等によるデマンド制御
機能②
- 将来的な電気料金メニュー多様化等への対応(VPP=Virtual Power Plant等への対応)
機能③
- 停電時における太陽光発電、蓄電池、電気自動車等の電力最適利用(BCP対応)

災害時、インフラの復興基地としての機能維持のため免震構造とし、電源・給排水の72時間のBCP対応を行う。
太陽光発電や電気自動車と組み合わせたリユースリチウムイオン電池により、発電機燃料を使い切った後でも直流給電範囲に持続的に給電する。

スマートエネルギーマネジメントシステムを用いて、直流電力を直流のまま3階執務室照明器具に給電し「直流→交流→直流」の変換による電力ロスを削減。
DC多種電源と直流給電システムを組み合わせたオフィス照明の次世代給電システムを実現。

パーソナル吹出口
空気式放射パネルとパーソナル吹出口を組み合わせたタスク・アンビエント放射空調により省エネ性と快適性を両立する空調計画。
デシカント外気処理機と高顕熱ビル用マルチエアコンを組み合わせた潜顕分離空間システムを採用。

建物概要
用途 | 事務所(自社本社ビル) |
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所在地 | 大阪府大阪市北区南森町1丁目4-24 |
敷地面積 | 1,143.18㎡ |
延床面積 | 6,546.89㎡ |
構造 | S造(免震構造) |
規模 | 地上8階、塔屋1階 |
監修 | 阪急阪神ビルマネジメント株式会社 阪急コンストラクション・マネジメント株式会社 阪急設計コンサルタント株式会社 |
設計施工 | 株式会社竹中工務店 |